インターネットを利用した選挙運動について

 大事な問題ですので、各党協議会に参加されている日本共産党佐々木憲昭衆議院議員のメルマガを紹介します。

 ◇◆本人がつづる今週の一言◆◇
  メルマガ読者の皆さん、こんばんは。佐々木憲昭です。
  まだまだ、寒い日々が続いています。岐阜は雪だそうです。体調管理に気をつけましょう。
春一番」はまだでしょうか。東海・関東では、2月中旬から3月中旬に吹くそうです。今年は、まだ少し先かもしれません。すでに、2月4日の立春に九州南部や奄美地方で「春一番」が吹いていますが地域によって差があるようです。
 私はこのところ、インターネット等を利用した選挙運動の解禁について、各党協議に出席し議論を続けています。
 2月13日(水)午前、自民党公明党から全党に呼びかけがあり、午後3時から11党が参加して開かれました。突然のスタートでした。その後、15日金)、19日(火)、22日(金)と連続して協議が行われています。
 いまの公職選挙法は、「選挙運動」についてさまざまな規制を加えており、ビラや宣伝カーに、あれもダメこれもダメとする「べからず集」になっています。ネットやメールを使って「○○に一票を」と訴える「選挙運動」もできません。
 こんどの各党協議では、「ネット選挙運動」ができるようにするにはどうしたらよいかが議論されています。
 日本共産党は「ネット選挙運動の解禁は、有権者の選挙運動の自由を拡大するうえで必要であり、全面的に解禁すべきだ」と主張してきました。
 第一回目の協議から、私は「選挙権と選挙の自由は、主権者である国民の基本的権利であり、本来、自由な選挙運動が保障されるべきだ。有権者がネットやメールを選挙で利用できるようにすることは当然」と主張しました。
  ネットを利用した「選挙運動」ができるようにしようという点では、各党とも基本的に合意しているのですが、問題はその対象や範囲をどうするかです。
  私が、最初に違和感を感じたのは、「第三者」という言葉です。協議では「候補者・政党等」と「第三者」に分けて議論されていますが、ここには「候補者・政党等」が選挙の“当事者”(主体)であり、それ以外のものを“第三者”(客体)と見る発想があります。私は「第三者」という言い方は、おかしいのではないかと言いました。主体は、有権者・個人ですから、「第三者」ではなく「有権者」とすべきでしょう。
 自民党民主党が「第三者」という用語をつかった理由が、もうひとつありました。それは「第三者」のなかに、有権者だけでなく「企業や団体」を含めるとしていたからです。議論を通じて、そのことが浮き彫りになりました。
  私は、ネット選挙運動は有権者個人に解禁するのが原則であり、「企業・団体には認めるべきではない」と主張しました。
――なぜなら、会社法人、企業、団体は、選挙権をもつ有権者ではなく、選挙・選挙運動の主体ではありません。主体でない企業・団体が、巨大な資金力や組織力をもって選挙運動を行うことが可能になれば、有権者の選挙運動の自由、参政権そのものを侵害することになりかねません。
  私が、こう指摘すると、民主・みんなの案は「第三者」を「一般有権者を含むすべてのもの」に表現を変えました。
私は民主党にききました。
 「それは企業・団体を含むのか」と。回答は「当然含む」というものでした。「な〜んだ」という気持ちです。一見「有権者」を中心に置くように表現を変えても、内容は何も変わらなかったのです。
 これらの党が、「ネット選挙運動を解禁せよ」と言うとき、「企業・団体にも解禁せよ」という内容が含まれているのです。
よく見抜かなければなりません。
 自民・公明案は、「第三者」の解禁対象をWEB(ホームページやフェイスブック、ツイッタ―など)に限定していますが、民主・みんな案はWEBだけでなくメールにも広げるという違いがあります。もしも、大手企業が営業活動の中で手に入れた膨大な顧客メールアドレスを利用して選挙運動ができるようになったら、その影響ははかりしれません。
 有料ネット広告についてはどうでしょう。「選挙運動」用の有料ネット広告の解禁には問題があります。それは、資金力の多寡によって選挙の公平が損なわれるからです。
 ただし、現在でも行っている選挙期間中の政党の政治活動用「政策広告」は、政治活動の自由の観点から保障されるべきです。何人も「政治活動」の自由があることは、憲法に保障されており、企業や労働組合などの団体が、選挙期間中に「政治活動」として発信することは自由であるべきです。
 この協議内容は、まだまだ国民のなかで十分に知らされていません。一部で、来週にも結論を得るとも報道されていますが、しっかりした議論が求められます。