5月3日 憲法記念日にあたって訴えます

5月3日 憲法 記念日にあたって訴えます。
みなさん、今日は憲法記念日です。(1947年5月3日施行)
憲法」とは何か。
 今日の中国新聞である方がおつしゃっていましたが、憲法とは国の最高法規であり「人間の身体に例えれば背骨の存在だ」・・・・
その通りだと思います。
今の日本国憲法は「主権在民」「基本的人権」「平和主義」「議会制民主主義」「地方自治」等、国のかたちを作る骨格です。
安倍内閣自民党は、この憲法改定を夏の参院選の争点にするとしてます。そのために先ず、憲法96条を改定して改憲のハードルを「3分の2」以上の賛成から「過半数」の賛成でも出来るよう低くした上で、そのあとで憲法9条を変え「国防軍の創設」等、日本を「戦争をする国」」につくりかえようとしています。つまり、安倍内閣自民党などの最終的なネライは、国のかたちを―「戦争しない国」から「戦争する国」に180度つくり変えようとするものです。
 みなさん
〃世界の宝〃といわれている今の日本国憲法はなぜ生まれたのか! 私は先ず、このことを憲法記念日にあたってみなさんと一緒に考えてみたいと思います。
 私はその根本に「二度と戦争はしてはならない」という日本国民の強い願いがあったからだと思います。
戦争は、本来理性的な人間を獣(けだもの)に変えます。
日本が行った侵略戦争で日本国民350万人、アジア全体で2千万人の命が失われました。ドイツのナチスが行った侵略戦争では何百万人というユダヤ人が虐殺されました。
 毎年8月15日の終戦記念日に旧日本兵として外地で戦った方々の体験談の報道特集をごらんになられた方も多いと思いますが、外地で死んだ殆どの日本兵は、戦闘行為ではなく、「寒さ」と「飢え」とマラリヤなどの病気で次々倒れていった。中国大陸では日本軍の将校が、中国人の首を日本刀で切り落としそれを誇らしげにしている姿。中国人を「マルタ」扱いして、毒ガスや細菌をつかった「人体実験」を平気で行いました。軍隊内では、上官の命令は、天皇の命令で、絶対服従。下級兵は、理由も無しに顔が変るほど殴られ、人間らしく考えることすら奪われるなかで、人間としての理性は失われ、野獣に変えられていったのです。
 終戦後も、中国大陸では取り残された多くの日本人が逃避行で命を失い、多くの子どもたちが現地に置き去りになり残留孤児となりました。皆さんも、山崎豊子さんの「大地の子」という小説を読まれたり、テレビドラマでごらんになった方もおられると思います。私自身も旧満州から引き揚げてきた1人として、涙なしには観ることはできませんでした。
 みなさん、私はもう一度、声を大にして訴えたい!!
 戦争は人間を野獣に変えるものです。もう二度とこんな野蛮で悲惨な戦争をしてはなりません。今の日本国憲法には、この日本国民の願いが篭められているのです。戦争で亡くなった何百万人の方々の無念の思いがこめられているのです。この平和憲法を投げ棄ててもいいのでしょうか?
ご一緒に守り、生かして行こうではありませんか!!
 みなさん、安倍内閣のように「国防軍をつくって戦争できる国にしよう」と叫んでいる人たちは自分たちが直接人殺しをするとは考えていないでしょう。
 しかし、戦場で戦争に参加させられるのは、私たち国民です。
戦後、学校の教師たちは「教え子をふたたび戦場に送らない」と誓いました。その通りです。
みなさん、今こそ私たちの子や孫を、そして若い皆さんは友達を、恋人を、戦場に送らない為に、〃日本の宝〃 〃世界の宝〃日本国憲法を守り、生かそうという声をあげようではありませんか!
 次に、私は、今問題になっている3つの点について訴えたいと思います。
1つは憲法96条は「単なる改憲の手続き」が書いてあるのではありません。その時々の権力に左右されることがないように、権力に縛りをかけることを目的にして「三分の二の賛成」がなければ改定できないとルールを定めている条項です。これは「立憲主義」といわれるものです。自民党などは、日本の改定ルールは「厳しい」といっていますが、これは、大ウソです。憲法改定に厳しいルールを設けているのは、世界の常識でありアメリカを始め殆どの国が日本と同様の厳しいルールになっています。安倍内閣のやろうとしていることは、この「立憲主義」を踏みにじるものです。
2つは、日本共産党憲法改正ではなく現在の憲法の条文を実際の政治と社会に生かすことこそ大切だという立場です。何故なら、今の日本の社会では、例えば〃憲法13条〃の「国民の幸福追求権」や第25条(生存権)の条文が余りにも守られていないからです。
3つは、日本政府は、日本国憲法9条を生かして紛争を戦争にしないための平和的な外交努力にこそ本腰を入れて取り組むべきです。
例えば領土問題での中国や韓国の強行姿勢に対して日本はまともな外交努力をやっているでしょうか?日本の言い分を正々堂々と相手国や国際社会に訴えることもせず、軍事的対応ばかり強調する。これでは国際社会の支持をえることもできませんし、相手国をつけあがらすだけです。
みなさん、
今世界の流れは、軍事に頼らず、対話と外交の力で紛争の解決を!という「平和的安全保障」へと大きく流れています。
今こそ、憲法9条をもつ日本の出番のときです。
(最後に)私は、日本国憲法前文の次の一文を読み上げて私の訴えとします。
― 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と真偽に信頼して、我等の安全と生存を保持しようと決意した。我等は、平和を維持し専制と隷従を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。― 
みなさん、
「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないように」
憲法9条を守れ!の声を上げましょう!!